(5) よく頂くご質問
Q 1 )外国人が抗議に来ないのか???
一度もありません。
当店を始める以前、鯨食品メーカー勤務時代、
年間30回以上、大手スーパーや百貨店で鯨ベーコンの試食販売を行ったり、
大規模なグルメフェスに出店したりするなどをしたことがありますが、
外国人の方に反対されたこと自体がありません
Q 2 )外国の方も食べに来るの?
特にヨーロッパ、その中でもイタリア、フランスの方々、
そしてやはり、アメリカの方は多いです。
毎月どこかしらの国の方がお召し上がりにいらしています。
海外の旅行サイトでおすすめをされているそうです。
Q 3 )海外のテレビで店主(石川)を見かけた
下記のメディアで取り上げて頂きました。
・アルジャジーライングリッシュ
・アイスランド国営放送(同国 三ツ星シェフとのセッション)
・ジャパンタイムス
※ 録画データ等お持ちの方いらっしゃいましたら是非ご連絡ください!
Q 4 )お客さんがご年配の方ばかりのイメージが…
一番の誤解です。
むしろ逆で、ご年配の方は滅多にご来店されません。
20代中盤~50代前半が主な年齢層で、
特に30代前半~40台後半のお客様が多く、
ご接待だけではなく、デートでのご利用が多い事も特徴です。
また、若者であれば知らない人のいないような、
世界的ミュージシャンが頻繁にお越し下さるくらい、
当店の鯨はむしろ、若手~現役世代に喜ばれています。
Q 5 )くさい、かたい、旨味がない?
現在多く流通する「がっかり鯨」には、
・長期冷凍によって乾燥と酸化が進んでいる
・適切な下処理、熟成・鮮度・湿度・温度管理がされていない
・増量剤や発色剤などの化学添加物が打ち込まれている
大きく分けて、上記3つの特徴があります。
こういった鯨は、ご指摘の通り、とても美味しいとは言えません。
当然、当店の鯨は一切そういった処理はしていません。
詳しくは「鯨へのこだわり」をご覧ください。
Q 6 )鯨料理ばかりなの?
鯨の料理店ですので、鯨のメニューは多いですが、
テーマは「鯨を中心とした、自然・天然・野生の恵み」であり、
それらを組み合わせる事が「鯨ぢねん料理」でございます。
必ずしも、最初から最後まで、くじら攻めではありませんので、
四季折々、無農薬野菜、山菜、鮮魚、猪や鹿と共に御堪能下さい。
Q 7 )栄養豊富で滋養強壮や美容によい?
タンパク質が豊富で、各種ビタミン / ミネラルが多く含まれています。
また脂肪分はEPA・DHAで構成され、血流改善・抗酸化作用があり、
男性は勢力増強に、女性は御婉容に効果てきめんです。
遊郭に行く前など、古くは江戸の旦那衆が愛食する様子が文献に残っています。
(吉原の近く、浅草の老舗料理店に鯨を出す店が多いのは、その名残では)
Q 8 )捕鯨は環境に負担が大きいのでは?
船を動かす燃料だけで済むので(二酸化炭素排出はさておき)、
資源管理さえきちんと行えば、漁業効率も非常に高く(※)、
極めて持続性の高い漁業と言えます。
(※)一頭の漁獲で相当量の鮮肉を生産できる
畜産や畜養のように、飼育場所の確保、飼料の確保のために、
森林の開墾や湾の占有等々、「生産の為の消費」や、
「生産の為の生産」が必要ない点で、優れた面があります。
Q 9 )畜産も農業も発展しているのに、捕鯨は必要あるの?
先ず政策的な観点で。
確かに十分な食料が日本全国に行き届いていますが、
根本的に日本の食糧自給率が低い事はご存知かと思います。
だからかといって、鯨肉でそれを補え、という意味ではありません。
もし、国内の畜産や農業がだめになったら…
もし、輸入を頼っている先の国がだめになったら…
という事態への対応を含めての多様な選択肢の一つ、
リスクヘッジという面でも必要である事、
また、上記の通り畜産が必ずしも持続的ではない事を考えると、
鯨に限らずですが、早急に日本独自の、
自然資源の持続可能な有効活用をモデルを構築する必要があります。
次に市場や人々のニーズの問題として。
もはや需要がない、若い人が食べない、
といった見出しが頻繁に新聞等のメディアを飾りますが、果たして本当でしょうか?
国内の流通総量という末端(表面)の数値だけで、深い分析がなされていません。
料理店でいえば、鯨の肉を提供している店は全国に何軒あるのか?
各それぞれの店の客層(誰が)と顧客単価(いくらで)はどうなっているか。
それはスーパーマーケットでも同じことが言えます。
下町の赤札堂で販売される鯨と、三越銀座店の鮮魚店で売られる鯨、
それらは各々値段も、市場における役割も全く異なります。
双方の売れ行き、販売総額等々はどうなっているのでしょうか。
意外と、銀座の方が売れているかもしれません。
外国による捕鯨反対の問題もしかりですが、
「顔の見えない、幻想の大衆世論」に翻弄されているように思います。
Q 10 )牛や豚はいいのに!なんで鯨は!
殺される事を前提にしている家畜と、
自然の大海原で自由を謳歌している中、突然捕殺される鯨。
鯨に同情するのは、さもありなん、かわいそうと思うのは至極当然です。
しかし。
もっと重要なことは「畜肉=殺すことを前提に命を養う」という行為が、
とてつもなく残酷である事を、多くの人が認識していない事です。
逆の立場だったら、どうでしょう。
例えば同胞の人間が宇宙人に食料として飼育されている。
同じ知的生命体だから多少なりともコミュニケーションが取れてしまう…
でもいつかは、飼い主に首を落とされ、食べられる。
考えるだけで恐ろしい事ではないでしょうか。
狩猟は、残酷な行為です。
しかし、それは弱肉強食という自然の掟に従った、正当な勝負。
殺される鯨もまた、他の生命を奪って生きているのです。
(近代技術に過度に依存した、虐殺的狩猟ではない場合に限りますが)
Q 11 )日本は乱獲しないで、昔から鯨を余すことなく有効活用している!
確かに、室町時代~江戸時代、またはそれ以前の古代においては、
捕殺した鯨を余すことなく活用していた様子が文献に残されています。
しかし、戦前戦後の近代捕鯨は異なります。
日本もまた、欧米諸国と同じように、
現金価値の高い鯨油資源のために南氷洋で鯨を乱獲を行いました。
(それによって当時、現代の水産系大企業はが莫大な利益を得た)
鯨油をたくさん採るには、大きな鯨を捕まえる必要があります。
小さな鯨を獲ってしまった場合には捕獲枠を消費する事になるので、
捕殺を報告せずに、海に捨ててしまう事もあったそうです。
また、価格の高い鯨油を出来るだけたくさん積載して帰国するには、
当然、他の部位などは廃棄しなければなりません。
戦後の食糧難解決の役割もあり、多くの人々が鯨によって救われましたが、
決して美談だけでは語れない事が捕鯨の歴史です。
そうした過去の事実、その罪を受け止め、認識し、踏まえた上で、
新しい、海洋自然との共生モデルを再構築しなければなりません。
逆を言えば、そうすることで初めて出来る(新たな道が開ける)こともあるはずです。
そうしなければ、国際社会の賛同は永遠に得られません。
そして何よりも「何のために鯨を獲るのか?」を、
自分たち自身が納得できる言葉で語らなければなりません。
それは、
「子供たちがうれしい未来、
元気の出る、おいしくてありがたい自然に恵まれた、
明るく豊かな、笑顔の溢れる未来を継承する」
それ以上でも、それ以下でもないないように思います。